不死身男の５つの苦悩

『私の高校生活』

数秒遅れて、教室がざわつき始めました。｢誰？｣とか｢あいつの彼氏？｣とか｢面倒臭い……｣とか、あまりにも露骨に。

｢おいお前、いったい何を……｣

最初に来たのは担任の先生でした。そしてその先生を

｢とりあえずドォォォーーーーーーーーーーーーーン！！！！｣

思いっきり殴りました。
一発ＫＯです。
ピクリとも動きません。

｢はい再度注目しろ！！こいつの机を放り投げた奴！！今すぐ前に出てこい！！男子女子関係なく思いっきり殴るから！！｣

教室が一気に静かになりました。

もちろんというか、誰も出てきません。

｢ま、そら出ないわな。じゃあ一人一人聞いてやろう。はいそこの眼鏡。お前かコラ｣

｢ち、違いま……｣

｢３２１はい時間切れ机ドォォォォォォーーーーーン！！！！｣

湊峠さんの鉄拳により眼鏡の人の机が真っ二つに割れました。本当にこの人は人間なのでしょうか。

｢はい次は眼鏡の後ろにいるお前もドォォォーーーーーン！！！！はいお前の席もねぇからぁぁぁあああああああ！！！！｣

聞いてもいません。

もはや単なる荒しです。

４０人中３２人目に机に差し掛かったとき、ついに変化がありました。

｢あたしだよ｣

３２人目の机、私の机を窓から放り捨てたグループのリーダー的な立ち位置の人がついに自白しました。