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「ふん、あんた馬鹿じゃないの?あんな根暗な奴のためになに張り切ってんの?あんたの天宮の彼氏かなんかなの?そりゃ頭もおかしいか、天宮の彼氏だもん。ねぇ、皆もそう思うよねえ!?」
一斉に笑い声が起きる。
違う、この人は関係ない。
関係ないのに。
湊峠さんは何も言わずに机の前に立っている。
「だいたいさぁ、ここで私を殴ってもあいつを虐めるのやめないよ?むしろもっと滅茶苦茶にしてやるわ。殴って、蹴って、犯して、辱しめて、天宮を、壊してやる」
笑いながら言う。笑いながら。
「あんたも同じだよ。ていうかあんたはそんなことしなくても間違いなく退学か。こんだけしてりゃ。ていうか警察も来るんじゃないの?あはは、ざまぁみろ。あは、あはは、あははははははははははははははは!!あははははははははははははははははぐぅぶ!!」
「うるせーよクズ」
ついにというか、とうとう殴りました。リーダー的な人を。
「ぐぅあ……て、てめぇ……!!」
「まこと残念ながらというか、俺にとっても残念なんだが、俺にはこの学校で好きに出来る「権利」を持ってるんだよ。分かったらさっさと死なねー程度に殴られてろ」
もう一発殴ろうとしたとき、私は湊峠さんの手にしがみついてました。
「もう、いいです……」
消え入るような声で、自分でも分からないような声で、 一言だけ、しかしそれで湊峠さんは腕を下ろしてくれました。
湊峠さんは再び教卓に立つと、
「はい再三注目!!次こいつに死にたいとか思わせたらお前ら全員を死なねー程度にぶん殴るからな!!以上!!」
そう言って湊峠さんは、私を残して教室から出ていきました。
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