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ダムン!!
泣いていて良く見えないが、車に何か衝撃が走った。バランスを崩した車は一気にハンドルを切ってしまい、思いきり道脇の塀へとぶつかった。
塀へぶつかる時、何かが挟まった気がしたけど……あれはまさか、
人?
「くっ、なんだと言うのだ!!」
「わ、分かりません。空から人が落ちてきたんです!!」
「それは見たら分かる!!」
許嫁とさっきの部下っぽい人が慌てふためく中、涙を拭き窓を見てみると窓には血がベッタリと付いていて、車と塀の間に人のようなものが見えた。
「くそっ!なんということだ!人を轢いたなど、知られる訳には……!!そうだ、とりあえず目撃した人間は消えてもら……」
「物騒なこと言ってんじゃねーよクズが」
車と塀の間から声が聞こえたかと思うと、次の瞬間には車は宙に浮いていた。
ちょうど車がひっくり返り、やっとのことで車から抜け出し、さっきの塀の場所を見た。
そこに立っていたのは、湊峠君だった。
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