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「いやいや待ってくださいなにするつもりですかちょっと!!」
いくら「待って」と言っても湊峠さんは待ってくれません。私を引きずるように無言で廊下を歩いていきます。しかし待ってくれないと私が困ります。
「本当にやめてください!!あなたが何を言っても虐めはなくなりませんよ!!むしろ酷くなるかもしれません!!お願いです!!お願いだから…………」
気づけば、目からポロポロと涙が出ていました。それを見た湊峠さんは再び前を向き歩き始めます。
「だ、だから……!!」
「よかった」
止まってください、という前に私を遮るように湊峠さんは喋り始めました。
「よ、よかったって……」
「後のことを心配してるっつーことは、これからまだ生きてるって意味だろ。だからよかったんだよ。俺より先に死なれることも当分は無いようだしな」
「あ……」
言われてから気づきました。
いくら死のうと覚悟したって、いくら孤独になったって、いくら絶望したって、
私は、まだ生きたかったのか。
「それにだ、聞く限りお前は何でも決めつけすぎだ。味方がいないとか俺じゃ無理とか、やってみてから言えよ」
言い終わる頃には私の教室に着いていました。
いやまぁ決めつけすぎは確かに納得ですが、それでもこの人は何をするつもりだろう。今は授業中で、私の担任の科目で、教室はとても静かだった。
湊峠さんは教室のドアを勢い良く開き、
「はい全員注目ぅぅぅぅぅうううううううううううううううううううううううううううう!!!!」
叫びました。
みんなポカーンとしてます。
凄い恥ずかしい。
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