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俺は近くにあった少し焦げた毛布のすすをはらい、お母さんにかぶせてあげた。
そして次に2枚の毛布をさがしだして、未だに泣いている彼女の両親にかけた。そして、彼女の頭をなでてあげた。
「うぐっ…ひっく…お母さん…お父さん…」
「さぁ…もう行こう…泣いてもお母さん達は戻ってこない。それに火もまわってきた。」
「いや…!!ここにいる!!もう生きても意味なんてない!!ここでお母さんとお父さんと一緒に死んだ方がましよ!!」
確かに俺もそうしたい…だが…
「甘ったれるんじゃねぇっ!!」
彼女はビクッと驚いたような顔をして俺を見た。
「何言ってやがるよ!!ここで死んじまったら俺達が運良く生き残った意味がねぇじゃねえか!!生き残ってお母さん達の分までがんばって生きた方がお母さん達も喜ぶんじゃねぇか?だから、ここで死ぬなんて言わねぇで一緒に生きよう?な?」
「うん…そうだね!!ここで死んでも何の得もないもんね。与えられた命大切にしなきゃだよね!!」
やっべ、ついかっとなって怒鳴ってしまった。まぁ、結果オーライだ。絶対俺が死なせないしな。というか、かっとなるとお父さんみたいな口調になるんだよな。
ん…お父さん…?
そういえば、お父さんの姿は見当たらなかった。もしかしたら…
「なぁ、俺のお父さんの姿見なかったよな?」
「え…うん。見なかったわ。」
やった!!お父さんは生きてるかもしれない。さがしてどうしてこうなったのかも聞きたい!!
そして…お母さんが死んじゃったことも言わないとだよね?
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