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「な…何だよこれ…、うそだろ…」
「そんな…」
俺たちは呆然とその光景を眺めることしか出来なかった。
そこで俺たちは思い出した。俺たちがこの森に遊びに来るまで俺の両親はもちろん、町のみんなは今こそ炎の中にあるあの町にいたのだ。
「お…お母さん達は逃げたよね?お父さんも?」
俺に涙目で聞いてくる。最悪な展開が頭の中によぎる。
「大丈夫だろ…。町を飲み込むほどの炎だ。炎がまわる前に逃げたに決まってる。」
俺はそう言ったが、自分で決め付けたかっただけかもしれない。
「ねぇ、町に行きましょ?」
「あぁ…」
全身に痛みと疲れを感じながらも、俺たちは町に向かって走り始めた。
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