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お店を出た後も続く皐月さんの話をなんとなく聞きながら、会社に向かって歩いていた。
こうやって、日の光を浴びれる時間にお昼にでたのはいつぶりかな。
いつもはマウスを右手に画面と向き合いながらの昼食。もしくは皆が一般的な会社員が帰宅する時間に昼食に出かけるという事も少なくない。
そして、酷い時にはコーヒーのみという時もある。
「ドキドキかぁ」
「ん?宮っち何か言った?」
「いえ、なんでもありません。それより皐月さん。私、入稿しなくちゃいけないのを思い出したので先に戻りますね!」
「ちょっと!宮っち!話はまだ終わってないんだけどー」
引き止められた、皐月さんに申し訳ないと思いながら、走って職場へと戻る。
皐月さんの話が聞くのが嫌って訳ではなくて、本当に入稿しないといけなかったデータを用意していなかった事に気がついてしまったからだ。
私は広告代理店のデザイナーとして勤務して6年目。
入社して以来、朝から晩、いや深夜まで働き通しの毎日。
酷い時には土日も出勤というハードワーク。
家に帰ってただ寝るだけの毎日な私にドキドキなんて縁遠い話しだ。
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