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「昔は恋愛のことしか考えてなくて、一番最初に結婚するって言われてたのに、今じゃキャリアウーマンって感じだもんね」
「いや、キャリアウーマンでもない。あれはビシッっとスーツを着て、シャキシャキ働いてる感じじゃない?私はゆるゆるのワンピースにだらだらとお菓子食べながら仕事してるから」
「ま、確かにキャリアウーマンではないか。でも、仕事一筋って感じよね」
「そーでもないんだけどなー」
「……もしかして、まだ引きずってたりする?」
「え?」
「だから光司くんのこと。もしかしてまだ好きとか?」
「そんな訳ないでしょ?もう3年も経ってるし」
光司とは高校から3年前まで付き合っていた彼氏のこと。
彼はいわゆるクラスの人気者。
男子からも、女子からも人気が高く、私はずっと片思いをしていて高校3年の時、やっと同じクラスになれて、人生初めての告白をし、付き合うことになった初恋の人。
スゴく嬉しくて浮かれていたのもつかの間。
付き合ってみて気がついたけど、彼は浮気性で当時同じクラスの女子と浮気していたりした。
「光司は最後まで浮気ばっか。何度泣かされた事か。友達だったらすっごくいい奴だけど、付き合うと苦労ばっかりさせられた気がする。今思い出してもなんで付き合っていたか分からないもん。あげくには、浮気相手に子供が出来たから別れてくれって言われて、怒る気もうせた」
「そっか。吹っ切れているならいいけどね。ならさ」
朱里は持っていた鞄をあさりだし、一枚のハガキを目の前に差し出した。
「何これ?」
「同窓会開催のハガキ。あんたの家にも届いてなかった?」
「……ポスト、2週間ぐらい見てない」
「だろうと思った。今時珍しいよね。わざわざハガキで連絡してくるなんてさ」
目の前に差し出されたハガキを手に取り、内容を確認する。
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