吊の恩返し

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―――――― 互いの武器を振り上げ、振り下ろした両者にはどす黒い液体が飛び散った。 しかし、相手に傷はついていない。 刀と鎌の間には腕の切れた美女がたっていた。 「俺の話を聞けぇぇぇ!」 そこで我に返った二人はそれを見て悲鳴をあげ、己の持つ武器を捨てた。 「私たちはなんてことを」 腕を失った女は言った。 「今晩泊めていただけませんか?」 「え~、どうしようかな~」 お爺さんは言った。 「泊めろや、ボケ」 「いいだろう」 女は部屋を借り、お爺さんにこう言った。 「泊めていただきありがとうございました。ただし今晩どんなことがあっても、この戸を開けてはなりません。わかりましたね。」 「おっおう」 ―――――― それから数時間後 だめと言われるとついやっちゃいたくなる小・中学生レベルのお爺さんは女の部屋を覗いてみることにした。 お爺さんは指で障子に穴を開けそこから部屋を覗いた。 覗いた視線の先には死人のような形相でこちらを見返してくる視線があった。 「見~た~な~」 女はこちらに全力で走り、障子を開け、お爺さんの首をなぜか復活している手で掴んだ。 数秒後、女の強靭な握力によりお爺さんは鶴のように空へ羽ばたいて逝った。 めでたしめでたし
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