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大倉は定時に帰って、おれ残業。上司に押し付けられた仕事を片付ける。大倉みたいに、はっきり断られへんから困ったもんやわ、ほんまに…。ほぼ毎日、誰かしらに頼まれる。周りはみんな帰って、おれだけ残業。
「あれ?誰か残ってんの?」
「…ぅゎぁ、」
急に声がしてビクゥッてなった。それ見てケラケラ笑いながら近づいて来る社長。
…え!社長ぉっ!?
「あ、あの、お疲れ様です!」
「ははっ、そんな堅くならんでも」
「いや、だって、社長…」
「あー、知ってくれてんねや。」
「そりゃあ、もう!」
だって、普段滅多に会わん、ってか会った事無いけど、働かせてもらってるのに社長の顔知らん訳がない。会社のパンフレット的なんに写真載ってたし、若いのにすごいな、って思った記憶がある。
「…そういえば、なにしてんの?」
「あの、仕事残ってて…」
「手伝うわ」
「いや!そんなっ、大丈夫です」
「ええから、押し付けられたんやろ?」
「まぁ…」
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