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社長のおかげで、いつもより随分と早くに仕事が終わった。やっぱりすごいな、この人。
「ほんまに、ありがとうございました」
「いやいや、俺なんにもしてないし。お前が頑張ったからや」
ふわぁって笑って、頭ぽんぽんされた。恥ずかしい、けど、ちょっと嬉しい…
「俺、社長室戻らなあかんから…」
「あ!はいっ」
社長の後ろ姿に一礼して、会社を出た。
すっかり寒くなって、身体が芯まで冷える、けど、社長に頭を撫でられた事を思い出して、ほんのりあったかくなった。
「社長って、奥さんおるんかな…」
白い息と共に、自然と出た言葉に疑問を覚えながら歩く帰り道。
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