3人が本棚に入れています
本棚に追加
12月の寒い冬。今日も北風が私を冷やす。
私の名前は春野希桜。16歳の高校1年生。
容姿は自己評価になってしまいますが、長い黒髪が自慢です。けど、ラブレターを貰うほどの美少女です。
まぁ、お断りしましたけど。だって、私には好きな人が居るから。
今日は寒いので手袋に「はぁはぁ……」と息を吐く。
「よう、希桜」
しばらく歩いていると、目の前の男性は私の姿を見つけるなり、気さくな返事をして来ました。
肩にかかるくらいの茶髪に、私より少し高い背丈。マフラーを着けていて、白い息を吐いている。
そしてにこやかな笑顔でこっちを見つめてくる。
彼の名前は神藤真一郎。17歳の高校2年生で私の好きな人。
「……!……ふん!」
私は彼の姿を見ると、鼻で馬鹿にしたような声を出して、そのまま彼の脇を通り過ぎる。
「あっ、おい!希桜!」
彼は慌てたような口調で、私の方に走ってくる。
そんな彼の姿を見て、私は心の中が暖かくなるのを感じた。
でも、彼とは付き合えない。
だって彼は、私の従兄だから。
最初のコメントを投稿しよう!