希桜と真一郎

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12月の寒い冬。今日も北風が私を冷やす。 私の名前は春野希桜。16歳の高校1年生。 容姿は自己評価になってしまいますが、長い黒髪が自慢です。けど、ラブレターを貰うほどの美少女です。 まぁ、お断りしましたけど。だって、私には好きな人が居るから。 今日は寒いので手袋に「はぁはぁ……」と息を吐く。 「よう、希桜」 しばらく歩いていると、目の前の男性は私の姿を見つけるなり、気さくな返事をして来ました。 肩にかかるくらいの茶髪に、私より少し高い背丈。マフラーを着けていて、白い息を吐いている。 そしてにこやかな笑顔でこっちを見つめてくる。 彼の名前は神藤真一郎。17歳の高校2年生で私の好きな人。 「……!……ふん!」 私は彼の姿を見ると、鼻で馬鹿にしたような声を出して、そのまま彼の脇を通り過ぎる。 「あっ、おい!希桜!」 彼は慌てたような口調で、私の方に走ってくる。 そんな彼の姿を見て、私は心の中が暖かくなるのを感じた。 でも、彼とは付き合えない。 だって彼は、私の従兄だから。
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