3人が本棚に入れています
本棚に追加
自分のクラス、1年1組の自分の席に座るや否や、私は机の上に腕を組んで顔を伏せた。
(うー!今日もおにいちゃんに酷い事を言ってしまったよーーーーー!)
最近の私は、ずっとこうだ。
教室に入ったら、自分の席で真一郎への態度を反省する。
(私だって仲良くしたいよー。でも、無理なんだもん)
従兄妹同士の結婚って言うのは、現実じゃないからこそ祝福される。
現実の世界はもっと厳しいのですから。
「今日もお悩みですか、キ・サ・ちゃん?」
「……杏ちゃん」
そう言って上機嫌で話しかけてきたのは、彩杏(いろどりあんず)ちゃん。
モデルばりのスタイルと、右目の下の泣き黒子(ぼくろ)が特徴の、私の中学時代からの友達。
で、私が真一郎を好きな事が知ってて、からかってくる女の子。
「今日もいつものように、お兄ちゃんに冷たく当たっちゃったのかなー?」
「……お兄ちゃんって言わないでよ、杏ちゃん」
「あはは!そうだねー!」
私も杏ちゃんみたいなら良かった。
素直で、綺麗で、……従兄妹じゃなければ、良かった。
そうだったら、真一郎と今のような関係にならずにすんだのに。
最初のコメントを投稿しよう!