希桜と真一郎

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自分のクラス、1年1組の自分の席に座るや否や、私は机の上に腕を組んで顔を伏せた。 (うー!今日もおにいちゃんに酷い事を言ってしまったよーーーーー!) 最近の私は、ずっとこうだ。 教室に入ったら、自分の席で真一郎への態度を反省する。 (私だって仲良くしたいよー。でも、無理なんだもん) 従兄妹同士の結婚って言うのは、現実じゃないからこそ祝福される。 現実の世界はもっと厳しいのですから。 「今日もお悩みですか、キ・サ・ちゃん?」 「……杏ちゃん」 そう言って上機嫌で話しかけてきたのは、彩杏(いろどりあんず)ちゃん。 モデルばりのスタイルと、右目の下の泣き黒子(ぼくろ)が特徴の、私の中学時代からの友達。 で、私が真一郎を好きな事が知ってて、からかってくる女の子。 「今日もいつものように、お兄ちゃんに冷たく当たっちゃったのかなー?」 「……お兄ちゃんって言わないでよ、杏ちゃん」 「あはは!そうだねー!」 私も杏ちゃんみたいなら良かった。 素直で、綺麗で、……従兄妹じゃなければ、良かった。 そうだったら、真一郎と今のような関係にならずにすんだのに。
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