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「失礼します。2年1A組の佐々木ですが、生徒会室の鍵を取りに来ました」
職員室に鍵を借りに行った。
部屋を出ようとしたとき、担任の高崎先生が、電話相手に頭を抱えていた。
一瞬、何かの呪いかと思ったけど、
「タキ先生?」
声掛けた。
「佐々木か。いや、内線の一覧表に、『生徒会室B1』ってあるのが気になってな……。生徒会長に電話ってある?」
私は一覧表を見た。
確かに『生徒会長B1』とある。
「ありますよ。でもそれってこの『生徒会室』ですよね?」
私は表を指差しながら言った。
タキ先生は、
「だよな。どこに繋がってるんだろ……」
と、呟いていた。
つまり、生徒会室には地下室があるってことになるのかな……?
生徒会室に入る。
今日は会議がないからみんなが来るまでは時間がある。
私は掃除をすることにした。
掃除道具が入っているロッカーは、一番窓側にあり、他の五個のロッカーより古い。
ロッカーから箒を取り出し、床を掃く。
結構な埃があり、それを外にはきだし、掃除道具を片付けようとしたとき。
掃除道具入れのロッカーから電話の着信音が聞こえた。
私は部屋の入り口にある電話に目をやる。
着信があれば音と共に光るはずだから、入り口の電話に着信はない。
しかし、確実に電話はなっている。
その時、私はさっきタキ先生が言っていたことを思い出した。
私は夢中で中の掃除道具を全て出し、床板を叩いた。
一ヵ所、キーリングみたい輪が付いているのを見つけた。
私はそのリングをつかみ、板を引き上げた。
引き上げると、私はしばらく何も言えなくなった。
そこには、1m位低くなった場所があり、地下への階段が続いていた。
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