1章 生徒会役員

2/10
前へ
/65ページ
次へ
「失礼します。2年1A組の佐々木ですが、生徒会室の鍵を取りに来ました」 職員室に鍵を借りに行った。 部屋を出ようとしたとき、担任の高崎先生が、電話相手に頭を抱えていた。 一瞬、何かの呪いかと思ったけど、 「タキ先生?」 声掛けた。 「佐々木か。いや、内線の一覧表に、『生徒会室B1』ってあるのが気になってな……。生徒会長に電話ってある?」 私は一覧表を見た。 確かに『生徒会長B1』とある。 「ありますよ。でもそれってこの『生徒会室』ですよね?」 私は表を指差しながら言った。 タキ先生は、 「だよな。どこに繋がってるんだろ……」 と、呟いていた。 つまり、生徒会室には地下室があるってことになるのかな……? 生徒会室に入る。 今日は会議がないからみんなが来るまでは時間がある。 私は掃除をすることにした。 掃除道具が入っているロッカーは、一番窓側にあり、他の五個のロッカーより古い。 ロッカーから箒を取り出し、床を掃く。 結構な埃があり、それを外にはきだし、掃除道具を片付けようとしたとき。 掃除道具入れのロッカーから電話の着信音が聞こえた。 私は部屋の入り口にある電話に目をやる。 着信があれば音と共に光るはずだから、入り口の電話に着信はない。 しかし、確実に電話はなっている。 その時、私はさっきタキ先生が言っていたことを思い出した。 私は夢中で中の掃除道具を全て出し、床板を叩いた。 一ヵ所、キーリングみたい輪が付いているのを見つけた。 私はそのリングをつかみ、板を引き上げた。 引き上げると、私はしばらく何も言えなくなった。 そこには、1m位低くなった場所があり、地下への階段が続いていた。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加