1章 生徒会役員

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私はこの事が周りに知れない様、部屋の入り口を施錠し、カーテンを閉めておいた。 階段を下りると、照明スイッチがあり、スイッチを入れたら電気がついた。 その隣に電話が掛かっていて、履歴を確認すると、ついさっき着信があったことになっている。 さっきの着信音はここか……。 部屋を見回すと、埃が舞っていて視界が悪いものの、部屋の回りは書棚になっていて、椅子や指揮台などの備品が山積みになっている場所もある。 広さは、上の生徒会室・廊下・放送室を含めた広さだから、生徒会室より広い。 室内を歩いてみると、備品の裏側には、数台パソコンが置いてある。 しかし、そのパソコンは見た目は綺麗だけど、埃を被っているし、型が古い。 備品整理シールには『平成8年度』と書いてあるから今から21年も前になる。 椅子に至っては、新品同様にも関わらず『昭和49年度』と書かれている。 『トン』 書棚の前を歩いていたとき、目の前に何かが落ちてきた。 ……? 足元を見ると、一冊の冊子があった。 開いてみる。 『コノ地下室ハ、日本軍ガ軍事工場トシテ使ウノヲ計画シテイタサイノモノデアル。 地下室ハ、職員室ノ地下ニ位置シ、地下一階カラ地下三階、地下通路カラナル。 地下一階ノ階段ハ、金庫ノ下ニアリ、地下二階ヘノ階段ハ、地下一階ノ中央ニ位置シ、板ヲ外セバ良イ。 地下三階ヘノ階段ハ、金庫ノ下デ、後ハ隠シテイルモノハナイ。 コノコトヲ印ス。 昭和十九年八月』 驚いたことばかりだ。 地下室はまだ続くみたいだし、生徒会室はかつて職員室だったみたいだし、地下通路まであるなんて……。 でも、昭和十九年当時、こんな糸綴じ冊子なんてあったかな…。 それに、『コノ地下室』ってこの地下室の事なのかな…。 そんなことを考えるより先に、私は地下二階への階段を探し始めていた。
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