1章 生徒会役員

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案外簡単に地下二階への階段は見つかった。 丁度、部屋の丁度真ん中辺りに、他の床板と明らかに違う模様の床板がある。 足を乗せて揺らすと、少し揺れるし、 端の隙間を引っ張ると、床板が外れ、梯子が現れた。 しかし、地下二階は電気が付いていないにも関わらず、ひどく埃が舞っているのが分かる。 こんな状況下に飛び込むのは自殺行為でもある。 私は、一度、生徒会屋に戻り、自分の鞄からマスクを取り出し付け、再び地下室に戻り、意を決して地下二階に降りた。 地下二階は結構殺風景で、金庫が二つあるだけで、地下一階より狭く、八分の一位しかない。 まだ、五月半ばだけど蒸し暑い。 金庫の下に更に下に続く梯子があるらしいけど、どっちの金庫の下にあるのだろう? 見比べると、梯子のすぐ隣にある金庫の方が軽そうだからその金庫を横に移動させることにした。 金庫にはなぜか車輪がついていて、すんなり動かせた。 動かしやすいようになっている……。 中に何が入っているかは分からないけど、物凄く軽い。 ということは、動かす必要がある可能性が高い。 その予想通り、今動かした金庫の下に、梯子があった。 地下三階に下りると、また金庫がある。 よほど大事なものがしまってあるのかもしれない。 下りてきた梯子の隣には、更に下へ続く梯子がある。 その梯子を下りると、地下通路に出た。 一年後、この地下通路が生徒会を守ることになる。
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