1章 生徒会役員

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今日は議題がないから会議はない、 半数の役員が集まっていて、各々自分の仕事をしている。 「佐々木先輩。昨日の議決の賛否、分かりますか~!」 書記の樹村さんが泣きついてきた。 って、確かに涙声だ……。 「えっと、賛成8反対3でしょ」 「あ、そうでした。ありがとうございます!」 教えてあげたら、今度は抱きつかれる。 「ちょっと、仕事が…。離れて!」 「いつもドジでごめんなさい!でもこれからもよろしくお願いします」 毎回、同じ様なことを聞いているような……。 四月末に、加瀬先輩が家の都合で退学してしまった。 その為行われた補欠選挙に、一年生の樹村さんが立候補し、当選した。 一年生がこの時期生徒会役員になるのは稀で、私にとっても初めての後輩だからと喜んでいたら、実は仕事でミスを連発する人だった。 副会長の古沢先輩曰く、『ドジっ娘萌キャラ』らしい。 私には意味が分からないけど、要するに『可愛い』ということらしい。 でも、可愛いのに違いなく、妹ある身でありながら、妹みたいでほおっておけないと思ってしまう。 しかし、樹村さんは私に対し変な感情を抱いているように思う。 そういうのを何て言うのかな……。 適切な言葉があると思うけど……。
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