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私は家に帰り、暇だったのでリビングでお絵かきをはじめた。
そばでは妹が握って遊ぶおもちゃで遊んでいた。
この妹さえいなければ。
そう思いながら私はお絵かきに集中した。
床へ寝そべり、白い画用紙にクレヨンで思いっきり描いた。
クレヨンの線は画用紙をはみ出し、フローリングへ力強い線を残した。
私は
しまった!!
と思った。
以前同じことをして、酷く叱られたことがあった。
私は片付けもせず、リビングからにげ、二階へ上がる階段の隅からこっそりリビングの様子をうかがっていた。
母が私を呼び出すことを少し期待しながら。
しかしリビングへ入ってきた母がその床をみると
「優華!どこからこんなもの持ってきたの!フローリングも汚して!お願いだから、ママを困らせないで。」
そう言うと母は泣き出した。
久々によく見た母の顔は少し疲れた顔をしていた。
目元は暗く落ちくぼみ、少し痩せた気がした。
なんだ、お母さんも本当はもう戦うのやめたいんじゃん。
たかが小学校一年生がこんな戦いを長く続けれるわけがない。
悔しかったが、そろそろこちらから折れる時期かな
と私は思い出した。
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