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そんなある日、私がリビングのソファーに座っていると、大事そうに妹を抱きしめた母が私の隣に座った。
以前の幸せそうな顔はなく、泣いていた。
はぁ、長い戦いだった。
母は泣きながら言った。
「優華、どうして。私にはもう優華しかいなかったのに。優華…。」
何がなんだかよく分からなかった。
母は戦いをやめるつもりはないのか。
それに、“優華しかいなかったのに“
その言葉の意味もよく分からなかった。
母に抱かれた妹の顔は青白く、息もなく、静かに眠っていた。
妹は死んでしまったのだ。
もうやめようよ!私がいるじゃない!
そう言っても母は泣き続けた。
次の日、妹の葬式が静かに行われ、納骨された。
母は妹の小さな骨の入った箱を持ってある部屋へ入って行った。
そこは父親の仏壇、遺影などがある部屋で、私は何だか怖く父親が死んで以来、入ったことがなかった。
母のすすり泣く声が部屋から聞こえてくる。
私は勇気を振り絞り、その部屋へ入った。
中には父親の遺影、妹の遺影、その間に、私の遺影があった。
満面の笑みを浮かべ、幸せそうな写真。
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