待合室

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とりあえず、困った。 俺と三人が黙り込むと同時 待合室に変化があった。 駅にアナウンスがかかったのだ。 あの、駅独特の変な声。 しかし内容はもっと変だった。 『二番線―…次に参ります電車に死んでいる方のみお乗りください。 間違えると全員死んでしまうことになります。 一人とは限らないので どうかお間違いのないよう ご理解とご協力お願いします』 ブツ…。 とアナウンスは途絶え 俺たち待合室に居た四人はポカン、とした 一番最初に口を開いたのはヒステリック女。 「ちょっとぉ! 今のどういうことお!」 まあ、俺はこの女と違いヒステリーな方ではないが さすがに慌てずにはいられない。 あまり非科学的なものは信じたくないのに 一体何がどうなってるんだ? 俺も意味分からん、といおうとしたら、メガネの男はさもつまらなそうに、ふん、と鼻で笑った。 「つまりこういうことだろ。 俺たちは思い出さなくちゃいけない 果たして自分が今 生きているのかどうか。 そして死んでたんなら次の電車に乗る。 さもなくば此処に居る生きてるやつも道連れをくらう。 先に言おう。 俺は突然、駅のホームに居た。 直前に何をしてたかの記憶はなく待合室に入ったら閉じ込められた。 つまり死んでる可能性があるわけだ。 まあ、ゲームみたいで楽しいじゃないか。 臨機応変にいこうぜ 自分が死んでないことを願って。 俺の名は水田陽樹 まあ、よろしく」 この状況で臨機応変もくそもあるか。 と思ったがヒステリー女よりはまともかもしれない。 陽樹。 覚えておこう 俺と陽樹が喋ってる間、ヒステリー女は呪文みたいな言葉を吐きながらドアを殴り続けていた。 どうやら、嫌なことがあると外に発散するタイプらしい。 やはり、ドアはすこしも揺れやしない。 「落ち着きましょう…? 話し合えば、誰が何があったのか 思い出すかもしれないでしょう…? とにかく次の電車が来る前に なんとかしないと…」
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