641人が本棚に入れています
本棚に追加
/154ページ
「さて」
本来なら母さんと勇者とマオが、戦士と巨人とくうちゃんが、後は俺が一人で寝るはずだった。
まぁ予定が違ったが今から戦士に癒されにでも行くとするか。
寝ているようだったら起こすのも悪いし大人しく廊下で寝よう、うん。
ガチャ……となるべく音を立てずに戦士達の寝室の扉を開く。
「……寝てるか」
小さないびきと呼吸音が聞こえる。
俺は扉を閉めよう……と思ったが後ろから何かに抱き着かれる。
さっきの母さんはこんな気持ちだったのだろうか。ビクッ、と肩を震わせる俺。
「……なにしてるの?」
「な、なんだ戦士かよ」
驚かせやがって、お前か。用でも足しにいっていたのだろうか。
いや、詮索は失礼か。
「勇者とマオに邪魔をされて寝れないからさ、一緒に寝てもいいか?」
「……」
戦士は俺を引っ張る。
扉を閉め、彼女の後をついていくと本来マオ達が一緒に寝る部屋に着いた。
「優しく……してね」
「えっ、いや……えっ?」
なんか勘違いしていないか? と付け足す。
俺は普通に寝るって言ったつもりだったんだけどな。
最初のコメントを投稿しよう!