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「巨人は踊り子で納得できる。オセアとハルも王ってことでわかる。お前はなんだ……職がないだろ」
とりあえず彼氏発言はスルー。
ダーマ神殿に行ったことについての話題を話す。
「ボクも王だよ、異存は?」
「兵が居ない、馬鹿、無駄に財宝だけは地下室に貯めてるしおまけにニートまがい」
「……いや、違う。違う……本気出してないんだもん」
少し頬を膨らませるマオ。
いじけたように俺の隣、戦士とは逆の隣側に座り俺にもたれ掛かる。
戦士に睨まれるマオだが、気づいていないフリで済ませて胸を押し付けてくる。
一方戦士は俺の太股に上半身を乗せ、抱き着いてきた。
体勢的に非常にマズい構図にはなっているが、べつに変なことは起こっていない。
……で、この二人は姉妹らしい。普段は大人しい二人だが、何故か彼女達同士でだけは喧嘩する。
「あー、僧侶のモノはボクだけのだから駄目」
そして勘違いしたマオ。
戦士は体を起こして再度マオを睨む。
俺は恐くなってきたので、身を引いて立ち上がる。
とりあえずリビング兼謁見の間から退室しようと思ったが戦士とマオに腕を掴まれる。
「どっちが……いい?」
「勿論ボクだよね?」
何を言うか迷ったが、一番俺に害が向かわない言葉が思い浮かび、口に出す。
「それは僧侶になってから聞けよ」
『ダーマ神殿行ってくる!』
なにこのデジャヴュ。
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