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春風に煽られて舞った桜の花びらが校庭を埋める。そんなピンクの絨毯の上を踏み締めて、子どもたちは期待を胸に新年度初日を迎える。
「よぉ、オカルト、鳴神姉。今日も相変わらずだな、コノヤロー」
冷やかしなのか、それとも本気で悔しがっているのか。とにもかくにも、今日も相変わらず見せつけてくれるオカルトこと岡琉都(オカ ルト)と、並んで歩く鳴神和奏(ナルカミ ワカナ)の姿を捉えた遠松純平(トオマツ ジュンペイ)が早速絡みにいく。
「おはよ、純平くん」
「おはよう、トーマス。ところでさ、朝っぱらからそのテンションは止めてくれよ……」
朝が少しばかり弱い琉都は、朝も早よからテンション高めの純平についていくことはほぼ不可能だし、側にいられるだけでドッと疲れが込み上げる。だからやんわりと純平に退場願ったのだが、
「あぁ? 細けぇこたぁ気にすんなよ」
空気を読まない純平はにべもない。
「ところでさ、担任誰だと思うよ? ちょっくら賭けねぇか?」
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