7人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、彼らの通う神稜(ジンリョウ)小学校では三年生と五年生に進級する年にクラス替えが行なわれる。
つまり、前年度の担任がそのまま宛てがわれる確率は新二・四・六年生と比べると著しく低いということ。
「くそ……。クラス替えのことをすっかり忘れていたぜ……」
地に拳を打ち据え、身震いする純平は頂垂れたまま立ち上がろうとしない。よほど自らの犯した失策に腹を据えかねているのだろう。
「なぁ、そんな鳴神姉の予想は誰なんだ?」
純平に訊ねられた和奏は困ったようにはにかむ。そう、こればかりは和奏にだってわかるはずもないのだ。だが、わからないなりにも言えることはある。
「新任の先生でいいよ」
「……随分と投げやりなのな」
呆れたように呟く純平を見て、和奏は微笑む。なぜなら、それこそが予想の真理だと和奏が信じていることだからだ。
「予想なんてあてずっぽうだよ。予想に根拠を求めたら、それはもう予想じゃない」
予想とは、なんとなくそんな気がする程度の遊び。しかし、それに根拠を求めようとしたら確定的な証拠や事柄の認知が必要だ。そして、それは予想ではなく推理と呼べるものだろう。
最初のコメントを投稿しよう!