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「シャロンジュさんきゅっ!!」
「えっ!? ちょ、ロトフォゲル!?」
「頑張ってくださいまし、騎士団長。」
二人、主にシャロンジュに礼を告げ踵を返す。
目指すのは、陛下の部屋。
陛下の部屋からはだいぶ離れてたから、走ってても意外と時間がかかっちまった。
「………。」
扉の前に立ち、唾を飲む。
もし、ホントに陛下に好きなヤツができてたらどうすりゃいんだろ…?
やっぱまずは相手の身辺調査からだな。
んで、相手の悪いトコだけ陛下に突きつけて陛下には相応しくないって言う。
……って感じか…?
いや、陛下はだいぶ頑固だからな…。
ていうか好きなヤツがいて、それをオレが聞きつけてどう行動するかなんて陛下にはすぐ分かっちまう…。
とにかく今は好きなヤツがいるのかちゃんと確認しねぇと……。
幼い陛下、今の陛下。
二つの笑顔が脳をよぎった。
そうだ、オレのやることは変わらない。
今までだって、これからだって。
「…ロルフ兄様の笑顔は、オレが守る。」
そのために、オレは剣を握ったんだ。
ノックをするために上げた右手は少し震えていた。
「…陛下。レムス・レオン・フォン・ロトフォゲルです。」
北暦1542年。
ロットヴォゼル王国騎士団騎士団長。
レムス・レオン・フォン・ロトフォゲル。
齢17の良く晴れた春の日の事だった。
朱い馬のErinnerungen(思い出)
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