紅い鳥のEinfuhrung

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ロットヴォゼル王国――。 七つの国が世界を動かしていた北暦1500年代、その中でも一二を争う大国。 それがロットヴォゼル王国。 その国王、ロムルス・ロルフ・フォン・ロットヴォゼルは神の寵愛を受けし者。 それが、国民及び近隣国の認識だ。 しかし――。 「レムス。つい先程パンケーキを焼いたのだが一緒に食べないか?」 「陛下。私が知っている国王という者は自らパンケーキを焼いたりしませんよ。」 とある昼下がり。 俺は騎士団長であるレムスを呼び出し、 共にパンケーキを食べようと誘ったところ返ってきたのはレムスの国王のイメージについてだった。 しかし。 俺は声を大にして言おう。 「国王がパンケーキを焼いちゃあ悪いのかっ!?」 「悪いとは言っていませんよ。まあ陛下は昔からそんな感じでしたからもう馴れましたし。」 俺、ロムルス・ロルフ・フォン・ロットヴォゼルの思考回路はおおよそ国王に相応しくない思考回路だ。 自覚はしている。 小さい頃から料理、裁縫、買い物等の家事全般をよく自らやっていた。 今ではさすがに世間の目というものもあって下の者にやらせてしまっているが…。 正直。 今すぐ家から放り出されても自力で生きていける自信はある。 火の起こし方。 食べれる植物、逆に毒のある植物。 他にも生きていく為に必要な知識は既に頭の中に入っているのだから。 もちろん王室マナー等も完璧にマスター済み。 小さい頃からこれほどのスペックを誇っていたからか今では神の寵愛を受けし者だなんて呼ばれてる。 しかし俺とよく接する奴らは口をそろえて言うだろう。 「そんなわけない。」と。 「あ。レムスの分全部激甘にしといたから★」 「私甘いの苦手なんですけどっ!?」
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