紅い鳥のEinfuhrung

5/6
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
まあ確かに、 「国なんかよりも君を優先する」 だなんて如何にも お姫様は好きそうなものだからな。 けれど残念ながら余所の国のお姫様なんてぶっちゃけ興味がない。 「…陛下。そろそろ、かの者は誰なのか、教えてくださいませんか…?」 「………。」 「っ陛下!! あの時の約束をお忘れですか!? 私が騎士になり、その騎士団の長になったら…!」 「レムス。たとえレオンでも、今は話したくないんだ…。」 「陛下は私が聞いても…! 他の者が聞いても、いつもそれしか言ってくれないじゃないですか!!」 「レオン………。」 「っ!! …失礼します…!」 そう言い席を立ち部屋を出るレムス。 怒らせてしまっただろうか? 甘いものは苦手と言いながらも食べきられ、パンケーキのいなくなったレムスの分の皿を見つめる。 けれど、怒らせたとしても……。 そう。 たとえレムスがレオンでも、 まだ言いたくないんだ。 「ロルフ兄様!」 そう言って笑う幼いレオンの顔が脳をよぎった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!