朱い馬のErinnerungen

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陛下の部屋の扉を閉じ、一人小さく舌打ちをした。 長き歴史を持つロットヴォゼル王国。 その騎士団の長に任命された今でも、オレが知りてぇことを陛下は教えてはくれなかった。 「…昔はすっげぇ優しかったのにな…。」 そう呟き、豪華絢爛とも言える長い廊下を歩く。向かう先は、友人達の元。 齢17、若くして国を背負う国王陛下と同じように、こんなオレにも背負うものがあった。 ロットヴォゼル王国騎士団。 王国を守るための精鋭達。その頂点に俺は君臨していた。 正直オレが騎士団長になれるだなんて思っても見なかった。それもこれも、国王陛下のお陰だった。 「レオン。他者を殺した時に優越感や達成感を感じてはいけないよ。」 他者を殺したらその命を奪ったことを悲しみ、その分の重さを背負いなさい。 そう言った陛下の表情は本当にオレと同じ年齢なのかと問いただしたかった。 普通齢10の少年が言うような言葉じゃないだろ。 「ロトフォゲル騎士団長。」
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