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両親が死んだ。
事故死だそうだ。
突然の両親の死に戸惑いはしたが親戚が来てガヤガヤしているところにいたらなんだかもう慣れた気がした。
なに食わぬ顔でいたら親戚の誰かに「冷たい奴」だと言われた。
親戚たちは俺を引き取ることを拒んだ。
俺は一人でもやっていける、そう思っていたからその事に関して何とも思わなかった。
しかし、一人だけ俺を引き取ると言ってくれた。
俺は果たしてその事に対してどう思ったのか、よく覚えていない。
「ここかな」
"遠野"と書かれた表札の家を見る。
一般的な普通の家だ。
今日からここで暮らすのか。
「…ん?」
表札をよく見ると"遠野"と書かれている下に"日高"と書かれていた。
二世帯住宅なのか?
そんな風には聞いてなかった。
何なのだろう。
そんなことを考えていた時。
「こんにちわ」
そんな澄んだ高い少女の声が後ろから聞こえてきた。
綺麗で鮮やかで切ない瞬間
それが
俺、沢村寛人と
少女、日高葵の
これから先の4つの季節の物語の始まりの瞬間だった
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