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幸せそうなカップルで賑わう街並み。一人、そそくさと歩く喪女。
無性に寂しくなり、とあるビルのトイレに逃げ込んだ。
「寂しいな…あたしだって…」
声にならない声で呟いた。
目には眩しい物が浮かぶ。
おもむろに目を開けると、喪女の目にとある文字が眩しく映った。
「ビデ」
おもむろに手が伸び、ビデのボタンを押す。
「あっ…ぅん…」
ビデが喪女を優しく包み込んだ。
声にならない声を出す。
喪女の顔がほのかに赤らむ。
気づくと温水が冷水になる。
喪女は、はっと我に返る。
喪女は明日も歩き続ける。
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