寿命払い(short ver)

10/19
前へ
/51ページ
次へ
沙耶の顔は真っ赤だった。 気づけば大分酒が進んでいる。 酒が本音をさらけ出させたのか、はたまた気持ちを塗り替えたのか………。 俺の返事は決まっていた。 是非もなかった。 こうして俺と沙耶は付き合うことになった。 付き合ってみると、沙耶の魅力に引き込まれていった。 真面目で、明るくて、料理上手。 そんな沙耶に癒された。 いつしか、お互いに結婚を考えるようになった。 だが、俺には気鬱がついて回った。 俺は恐らく、沙耶より先に死ぬだろう。 それも、かなり早く。 そんな男と結婚してしまって、沙耶の人生を台無しにしてしまうのではないか……。 だが、結婚に二の足を踏んでいた俺に、予想だにしない事態が降りかかった。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加