寿命払い(short ver)

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俺はフラフラとコンビニへ買い物へ出掛けた。 買うものはタバコ1箱。 会計にあのカードを使ってみようと思っていた。 「ラーク12ミリ。」 「こちらでよろしいですか?」 「じゃあ、これ……」 ……とカードに手を掛けたときに、嫌な気がした。 ただの悪戯じゃなかったら? 新手の詐欺だったら? 警察沙汰になったらどうする? 一瞬、躊躇した。 しかし、失うものなど俺には無い。そう思うことが背中を押した。 「……これ、使えますか?」 「カード……ですか?」 コンビニの店員は寿命カードを手に取り、視線を落とした。 そして……… 「……店長!」 俺はこの場から走り去りたかった。 だが、怪しまれたくない。 俺の脳はフル回転で言い訳を探した。
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