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「はぁ……」
別に不満はない。先生は優しい。かっこいいし。
だけど、
離れるのは…不安だ。
「はぁ……」
「なに溜息ばっかり。」
登校してきた伊月が、私の前に座る。
「ねぇ。彼氏と離れるってどんな感じ?」
「知らないよ。私彼氏いないし。」
「だよね…」
溜息ばかりついて、先生とは全く時間が取れなくて、結局土曜日は先生の家でゴロゴロしていた。
「雨ですね。」
先生のベットの上のまくらを抱きかかえながら、窓から見える外を眺める。
「先生。」
「なに?」
仕事をしている先生は、見向きもしてくれない。
「最後の土曜日なのに…ど、してこっち向いてくれないの?」
涙を堪えながら、先生の背中を見つめる。
「先生……は、脩さんっ」
先生が驚いた様子で、私の頭を撫でる。
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