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そして1週間がたっても、先生からの連絡はなかった。
「行かなくていいの?」
朝、学校にいくと驚いた顔の伊月。
「…どこに?」
水曜日、今日は先生の授業はない。
「今日、先生いっちゃうんだよ?」
伊月の言葉に、身体が固まる。
「え…?」
「11:00の電車だって、健太が。」
「きょ、今日なの?」
「知らなかったの?」
先生はなにも言わなかった。くるなってこと?
「ヒヨ!!」
健太が廊下にいる。
「やっぱり…いくぞ?」
「え!?ど、どこに!?」
健太は、私を自転車の後ろに乗せて、学校を出た。
「け、んた!!どこ行くの!?」
「どこって…原田のとこ。」
捕まる健太の身体は、早く漕ぐために揺れていた。
「な、んで?」
「はぁ!?そんなもん、大切な人に決まってるからだろ!」
「なんで…知って…。」
「伊月から聞いた。」
この街に一個しかない駅へ健太はペダルを漕いだ。
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