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驚いた顔の先生が潰れそうな私の腕を引っ張り寄せる。
「な、んで?学校は?」
「………サボりました。」
「ははっ、天才もそういうことするの?」
いつも通りの先生に胸が締め付けられる。
「脩さん…?」
「なに?」
「そんな悲しい顔しないで。」
脩さんの顔は、苦しみでいっぱいだった。
「距離をおこうなんて言わないで。私…脩さんが好きだもん。そんなこと言わないでください…っうっうぅ。」
先生が私の頭を撫でる。
【間もなく電車が出発します。御乗りの方はお急ぎください。】
アナウンスが流れ先生は鞄を持ち上げた。
「俺でいいの?」
「脩さんがいいです。」
「そっか…うん…俺も、ヒヨがいい。」
始めて呼ばれた名前。先生は、電車に乗った。
私の髪の毛をかき分けて、耳元で囁く。
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