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あの後いろんなことがあった。
伊月に彼氏ができて、健太はバスケでアメリカに行った。
隣の家は売りに出されていて、なにも変わらない風景に、先生だけがいなかった。
卒業証書をもらって、生徒がグラウンドに解散した。
お母さんは、先に帰ってしまって、一人の帰路につく。
家につく前に見える先生な家は、見るたび花の奥がツーンとする。
『入っていいかな。』
1年も使われていないのに、いいの中は綺麗で、先生が使っていた頃と何も変わらなかった。
「脩さん…わすれちゃったの?」
カタンッ
二階の方で音がした。
『ど、泥棒?』
忍び足で、二階に進む。
どこにも人の気配はなくて、先生の部屋に進む。
「つ!?」
いきなり口を抑えられ、動けなくなる。
「動くな。」
そういう声に、すこし聞き覚えがある。
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