「やぁ、おはよ。」

3/44
前へ
/153ページ
次へ
携帯の下敷きとなった自転車の鍵をコートのポケットから出して、鍵穴に差し込む。金属音がなり、サドルにまたがると、坂のお陰で、勝手にタイヤが回る。 「寒い…」 モコモコの耳当て、赤チェックのレトロなマフラー、小麦色のミトン、黒色のフェルト生地のコート。 唯一体の肌が出てるのは顔、ハイソックスとスカートの間のコートに隠れきれなかった太ももだ。 _ピリリリリ♪ 携帯が横腹当たりで振動する。ちょうど信号で止まって、携帯の通話ボタンを押す。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加