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皆のところに戻ってくると、顔色の悪さを全員に指摘された。
「イヤー呑みすぎたみたいでなぁ。」
俺は笑ってごまかした。
「そうそう、さっきみんなで決めたんだけど、タッキーには2曲作ってもらうことになったから。」
石下がさらりと言うので、
「そうなんだ。分かった。」
と安請け合いしてしまった。
「ってちょっと待てよ!」
という俺の声は、もはや聞き入れられなかった。
「というわけで、一曲は、田野下よ永遠なれ、もう一曲はフルートとチューバのデュエットで、愛の田野下プレリュードな。」
和泉が曲の概要を説明した。ちょっと意味不明だが。
「しかしなんでフルートとデュエットなんだ?」
俺はふと疑問に思ったので聞いてみた。
「あくまでタッキーをメインにしないためだよ。学生とのデュエットっすてなんか萌えるだろ!それに、フルートならタッキー詳しいだろうし。」
大州はさも当然かのように説明した。
「いいなぁ。いつか組曲飯田も作ってよ!」
飯田はテーブル越しに肩パンを食らわした。
「地味に痛いな。」
俺は呟いた。
会計を済ませ、この店をでた。時刻は午前3時をまわっていた。とりあえず俺は急いで2曲作らないといけなくなったわけだ。
フルートとのデュエット、いつかエリと二人で吹けるといいな。
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