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「光を求め歩き続けるー君の情熱がいつの日か、誰かにとっての光となるでしょう、誰かにとってのきざしとなるでしょう♪」
電話が掛かってきた。私は彼の影響でB'zを聞くようになり、今では着信音もB'zにするくらい好きになった。今の着信音は「光芒」にしている。私の応援歌だ。
相手を確認すると、「城島先生」となっていた。
「もしもし?」
「高間か、久しぶり。ちょっとお願いしたい事があって電話したんだ。」
「お願いしたい事ですか?」
「あぁ。お願いというのは他でもない、福工の定演に出て欲しいんだ。」
「それは…。」
願ってもいない事だけど、そこには彼もいるのだろうか。
「来年の3月にやる予定だから、よろしく頼む。もし出演してくれるなら、チューバとのデュエットも考えるんだが。」
「え!?」
変な声を出してしまった。けれどそのまま電話は切れてしまった。
「しん君とデュエット…。」
私はその場に座り込んでしまった。
私はずっとしん君と会える日を待ち続けた。あの曲だって、しん君への想いを綴ったものだ。そしてしん君の作った曲を聞いたとき、想いが伝わった…と思った。
そんな彼とまた会える。そう思うと嬉しくてしょうがない。けど同時に怖かった。
本当に待ってくれているのか。
私はカレンダーを眺めた。
「あと半年か…。」
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