夏の始まり

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「じゃあ明日、昼休みだな!とりあえず!」 ノリノリな晃平を他所に、心配そうな三人の表情。 心配してくれてるんだなぁ、って痛い位伝わってくる。 こういう時、いつも心配してくれていたのは優希だった。 割りと暴走しがちな晃平と、それに乗ってしまう私を怒って止めるのは、優希の役割だった。 改めていないんだなぁ…って実感。 「そろそろ帰ろうか」 アキの一言で、今日は解散となった。 「英里、一緒に帰ろうぜー!」 「あ、うん…ありがとう。晃平」 「ん?お礼言われる様なことじゃねぇよ!」 じゃあねー、と帰る用意を済ませた順に帰って行く。 みんながあたしのそばを通る時、頭をワシャワシャと撫でて行く。 さりげないみんなの優しさに泣きそうになった。
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