夏の始まり

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「ちょっとここで人と待ち合わせしてるから。遅ぇな、アイツ…」 学内にあるカフェで、晃平が待ち合わせしているという。 …まさか、ご本人登場? 「晃平先輩ー!」 聞こえてきた声は男性のもの。 何だ、本人じゃなかった。 がっかりしながらも、ホッとしている。 …本人に会ったら泣かない自信ないもの。 「お、陽太ー!やっと来た!」 ひなた、と呼ばれた男の人が手を振りながらこちらへやって来た。 晃平を先輩と呼んだから、彼はきっと年下。 「晃平先輩、遅れてすみません」 「ホントめちゃ待ったからな」 晃平へスッゴい満面の笑顔。 笑顔とくせ毛かパーマか、少しクルクルの毛が、犬っぽくて…可愛いなぁ。 けど晃平が先輩風を吹かして若干いちびってるのはウザイ。 .
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