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「英里…大丈夫?」
机に突っ伏して項垂れる私の頭上から聞こえた優しい声。
「葵…大丈夫、じゃないよ~…」
「…だよね。よしよし。」
親友の胸に飛び込み、さっきまで我慢していた涙が止めどなく溢れてくる。
「…ずっと一緒にいたのに…」
「うん…」
「優希がいればそれでよかったのに…」
「…うん」
「どうして、ダメになっちゃったのかな…?」
「…辛かったね…」
「どうしたらいいのぉ…」
別れてから少しずつ時間が経つ。
今やっと時間の経過に合わせて別れたということの実感が湧いてくる。
けど、まだ心が鈍ってる。
まだ一緒にいた頃と何も変わっていない様に感じる。
現実が分からなくなる程の長い月日を優希と重ねて生きて来たんだ…
あたしの青春を全部彼に懸けた。
大学2年の初夏。
その恋が、終わりを告げた。
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