夏の始まり

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橘 英里、失恋。 「英里、大丈夫?」 「うー…ダメ、無理ぃ…」 大学2回生になり、順風満帆、幸せな毎日を過ごしてた。 これからも過ごす……はずだったのに。 「よしよし、思いっきり泣きなよ。今日はずっと側にいるから」 「うぅ…葵ぃ…ありがと…」 何とか家まで帰って来たあたしは、一番の親友の葵に助けを求めた。 「あたしもショックだなぁ…英里達、結婚すると思ってたよ」 「ぐすっ…あたしだって…そう思ってた、もん…なのに、酷いよ…」 あたしに飽きたとしても、違う女の子に取られるなんて。 「同じ大学の後輩なんでしょ?」 「そう言ってた…って言うか、あたしも同じ大学だっつーの…」 元彼氏、優希とあたしは同じ大学。 頭の良くないあたしが、優希といたくて頑張って頑張って頑張って、やっと同じ大学に進学したのに。 「同じ大学なんて…行かなきゃ良かった」 大学に行く意味さえ無くなってしまった。 .
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