3人が本棚に入れています
本棚に追加
「英里…そんなこと言わないで。私がいるじゃない。それに、あいつらだってその言葉聞いたら怒るよ」
ブー…ブー…
私か葵か、どちらかの携帯が震える。
私は何処に置いたかも分からず、携帯を探す気にだってならない。
「あ、私だ。ちょっと待ってね」
着信があったのは葵らしい。
「もしもし。今?英里の所。え、今から?ちょっと待って、英里に代わるから」
私に背を向けていた葵がこちらを向く。
そして携帯を私に差し出した。
「晃平から。英里に代われって」
携帯電話を受け取り、耳を当てると、ざわざわ騒がしい街の音がする。
「…どうしたの?」
『英里?!お前、大丈夫?!携帯出ろよ!心配しただろうが!』
「ちょっと…晃平、声デカイ」
『あー?聞こえねー!お前、とりあえず今からいつもの所来い!いいな!』
ブチッ!
「ちょ、晃平!……切られた」
「晃平らしいね」
仕方ない…もう外に出られる顔でもないのに、仕方なく用意をする。
.
最初のコメントを投稿しよう!