夏の始まり

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指定された、『いつもの所』。 「英里ー!こっちこっちー!」 いつもの所―行きつけの喫茶店に到着すると、いつものメンバーが私達を待っていた。 同じ大学で、同じ文学部の仲良しグループ。 「英里遅い!電話してからどんだけ待たせんだよ!」 「晃平、声デカイ」 声がデカくてうるさい。 泣きすぎて疲れている私の頭に響く。 「仕方ないよね。泣き腫らした顔を直して来たんでしょ?ま、いつもとあんまり変わってないけどねー」 「…ちょっとナナ、酷いよ…」 「ホントのことだもん」 ナナ…本名奈苗は私の顔を見て酷評する。 ナナのはっきりものを言うことには慣れてるけど…今はやめて、ナイーブになっちゃってるから、私。 「お前らいい加減にしなよ。英里を余計傷つけてどうすんだよ」 アキもとい秋(しゅう)は唯一私を気遣ってくれているみたいだ… 本当は、ここにいつも優希もいたんだけど。 …いないのが変な感じ。 .
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