夏の始まり

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「英里、男なんてね星の数だけいるんだよ」 どうやら今から私の慰め会が始まるらしい。 「ナナはいいよ、可愛いしモテるんだもん」 「喋らなかったら、な」 「何よ、晃平なんてうるさいだけじゃない」 「はぁ?顔だけ毒舌女に言われたくねぇ!」 「ちょっと…アンタ外出なさいよ」 「晃平、ナナ…二人とも、止めなよ」 アキの一言により、いつものナナと晃平の口喧嘩が終わる。 いつか殴り合いの喧嘩になると思う。 うん、絶対なる。 「…で、その優希の好きな人って誰なの?」 アキの言葉に、ハッとする。 「…名前は…聞いてない。同じ大学の後輩だとしか言ってなかった」 「英里バカだね。英里には聞く権利あるのに」 「そうだよ!じゃないとお前、奪い返せないだろ」 ごもっともだ。 優希の好きな人の名前を聞くなんて考えつきもしなかったなぁ… それどころか、奪い返そう、とも思い付いてなかった。 .
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