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「矢野くんっ」
やっぱり階段の前に愛しの水筒は置いてあり、さっさとその水筒を拾い戻ろうとしたとき
甲高い声が耳に響いた。
階段の目の前にある家庭科室から出てきた女子が水道で水を飲んでいたであろう矢野先輩に駆け寄り
「あのっ、練習中にごめんねっ」
「ん?大丈夫だよ。今は休憩中だから」
「よかった…
きょ、きょ…今日は、パウンドケーキ作ったの。
…もらってくれる?」
怖いくらいブリブリしながらラッピングされたソレを差し出す。
「ありがとう、凄く嬉しいよ」
「…あ、あはははははははははは!よ、よかった…あは、あはは…」
にっこりと笑いながら受け取る矢野先輩を見た女子は
壊れたように笑いながら鼻血をたらしていた…
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