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「ほら、やっぱり居ネーって。だから、お前も気にすんな。な??」
あれから、鳴海は一気にこの場所まで俺を引っ張りながら走った。
なのに鳴海はケロッとした顔で言った。
コイツ…そう言えばサッカー部だった。
息を整えるのが精一杯で、今は確認どころじゃない。
「ハァ、ハァ、…っハァ!流石に…もぅ、居ないでしょ?!」
俺は膝に手をつき、乱れる息を懸命に直した。
「よし、何にも無いと解った所で―――――」
ゾクッ…
「?!」
また、あの悪寒がする。
「雪、どうした?」
やっぱり、何かオカシイ。何かに見られている気がする。
だが辺りは、夕暮れの静けさが漂っているだけだ。
「なぁ、鳴海。急いで帰ろうぜ?やっぱ何かオカシイし変だし…気味悪い。」
「……。」
「なる…っ…?!」
《テキセイ…ナシ。 ツギ、イキマス》
そんな機械的な言葉が聞こえて、振り返ると鳴海の代わりに、見たこともない二足歩行の生き物がいた。
《それ》は一見は人間の様だが獣耳で、眼は動物みたいに黒い虹彩と瞳孔が殆どだった。
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