Shine ‐光‐

11/18
前へ
/18ページ
次へ
そいつは音もなく、俺に近づいて来た。 「っ…ぅ……あ…。」 俺は後退りするが、全身の筋肉が、恐怖で萎縮して上手く動けない。 そのまま俺は自分の足に引っ掛かり、ドシンと情けない音をたてて、尻餅をついてしまった。 「?!んぁっ!!」 顔を上げると、そいつはいきなり俺の頭を鷲掴みし、持ち上げた。 地面から足が離れ、宙に浮く。 「シンサ…ハジメマス…。」 そう呟くと、目の前が眩み始めた。 ヤバイ、これはマズイぞ?! 俺はもがくが、どうにもならない。掴む力が強すぎて頭が潰れそうだ。 「く…っそ。」 そうだ…竹刀!! 俺、竹刀どっちに持ってたっけ?と考えたが、背中に掛けていることを思いだし、無我夢中で取り出した。 「当た…っれ!!」 下から抉るように振り上げる。 グゥっという呻き声と共に俺の体は解放され、一瞬の浮遊感を感じたが、そのあとすぐにアスファルトの地面に叩きつけられた。 .
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加