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その時、俺は異変に気がついた。
こんな騒ぎを起こしているのに、人っ子一人、見あたらない。
今は帰宅の時間帯だ。学生やサラリーマンがいてもいい筈なのに、何で―――「こんなに静かなんだ?…だろ??」
「へ??」
思っていたことを言われて、変な声を出してしまった。
「えっと…君は?」
「私はアリア。アリア・リュンクだ。」
「外国人??」
「いや、日本人だが?」
「……。」
響きからして外国人かと思ったのに同じ日本人とは。
「君、パラレルワールドって知っているかい?」
「え、うん。何となく…だけど。」
「そうか、なら話が早い。私はパラレルワールドの幾つもある日本の一つから来たのだよ。」
「えっと…つまり?違う世界の日本から、この世界の日本に来たってこと?」
「あぁ。理解が早くて助かるよ。」
そう言うと、アリアはくすりと笑った。
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